08 Sep 2023
2023年09月08日
日本では女性議員が少ないと言われて久しい。たとえば、本年6月に発表された世界経済フォーラム(WEF)のジェンダーギャップ指数報告書によれば、日本の指数は146か国中125位という過去最低の結果となり、特に政治分野では138位に落ち込んだ。実際、議会における女性比率を見てみると、戦後初の第22回総選挙(1946年)で当選した女性議員の割合は8.4%、そして直近の第49回総選挙(2021年)では9.7%であり、実に約70年もの間、実質的に増加していない。一方、参議院における女性議員の割合は第26回参議院通常選挙(2022年)後の時点で25.8%となった。
このため、近年クオータ制導入の必要性が強く認識され、政治分野における男女共同参画の推進に関する法(政治分野男女共同参画推進法)が成立、施行されるに至った。本法律は各党の男女候補者数を出来る限り「均等」にすることを原則とすると同時に、男女候補者数の目標値設定について努力義務を課している。第26回参議院通常選挙においては、立憲民主党と共産党に限って50%以上の女性候補者を擁立し、意義ある立法措置となったが、政治分野における男女共同参画には依然遠く及ばず、その実現のためには様々な側面からの努力が必要である。
本稿は女性議員の割合を高めるために必要とされる施策の内、クオータ制を巡るドイツの政党による事例を紹介し、本邦における議論に供するものである。なお、クオータ制とは、格差是正のためにマイノリティに割り当てを行うポジティブ・アクションの手法の一つであり、政治分野におけるジェンダー・クオータとは、議会における男女間格差を是正することを目的とし、性別を基準に女性または両性の比率を割り当てる制度を指す。
Author: 瀧口直輝・田口季京
著者 瀧口直輝・田口季京
Project Lead: 瀧口直輝
プロジェクト担当 瀧口直輝
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