「自由で開かれたインド太平洋」構想以前から、日本はインド太平洋地域において指導的な役割を果たしてきました。そのため、日本との協力は、平和と自由を維持するという観点から、その重要性が一層高まっています。ドイツはこのような日本の指導的役割を適切に認識し、様々な分野における協力や二国間関係の深化に努めています。
地政学的に明らかなように、グローバルなパワーバランスは大西洋から太平洋へと移行しています。地域における安全保障上の課題に向き合うためには、私たちコンラート・アデナウアー・シュティフトゥング(KAS)のような組織を通じた多国間・二国間の対話が不可欠です。アジアと欧州との対話とネットワークの架け橋として成果を挙げることがこの日本プログラムの役割です。
「 日本プログラムは、安全保障、エネルギー・気候変動、テクノロジー・社会問題を主な政策的テーマとして、日独・日欧関係の発展に努めています。」
これらの目的を達成するため、KAS日本事務所は、日本とドイツの直接交流の発展と促進に努めています。具体的には、議会間の話、キリスト教民主同盟と自由民主党との政党間対話、その他の政党との積極的な交流や、専門家によるフォーラム、カンファレンス、スタディー・ツアーや奨学金などが挙げられます。
ドイツの政治財団であるKASは、グリーン成長、経済的・社会的繁栄、安全保障やレジリエンスなどの未来を形作る政策分野に積極的に取り組み、日独の共通点を明らかにすることで、両国の政策議論に貢献しています。このようにして、共通の価値観に基づいた民主主義国家の同盟を強化することが弊財団の中核を成す目標です。
シニアプログラムマネージャー、日本プログラム
2月20日、コンラート・アデナウアー財団(シュティフトゥング)(KAS)日本事務所は、中曽根平和研究所(NPI)との共同プロジェクトとして「経済安全保障―ドイツの視点」をテーマとしたセミナーを開催し、国会議員や政府・省庁関係者の参加を得た。本セミナーは、昨年12月にNPIとKASの間で締結された経済安全保障分野における協力関係を強化するための覚書(MoU)に基づいて開催されたものであり、その概要は以下のとおり。
2月7日から9日にかけて、ヨハン・ヴァーデフール キリスト教民主/社会同盟(CDU/CSU)会派院内副総務を団長とする同会派独連邦議会議員団が来日し、日本の国会議員や有識者との意見交換を行った。 議員団は、7日に衆議院第二議員会館にて行われた日独友好議員連盟総会に出席し、遠藤利明 会長をはじめとする与野党の国会議員と議論を交わした。総会では50名を超える日本の国会議員からの参加が得られ、日独の外交安全保障・防衛政策や対中政策のみならず、人権デューデリジェンスや対アフリカ政策など、多岐にわたるテーマについて活発な意見交換が行われた。 また、議員団の来日中には上川陽子外務大臣および木原稔防衛大臣との会談が持たれ、インド太平洋地域における貢献や日独物品役務相互提供協定(ACSA)に言及しつつ、国際情勢が不安定化するなかで外交・防衛面における日独連携を強化する重要性が確認された。伊藤信太郎 環境大臣との意見交換では、環境・気候問題に対する先進国としての日独の国際的なアプローチがテーマとなった。 さらに、辻清人 外務副大臣、森山裕 自民民主党総務会長、泉健太 立憲民主党代表および藤田文武 維新の会幹事長とも意見交換が行われ、日独の政治状況や主に外交・安全保障分野における日独協力のあり方等について議論がなされた。