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憲法改正議論の現状:新しい勢力図から生まれた機運と課題

03 Feb 2022

2022年(令和4年)の通常国会が召集され、引き続き新型コロナウイルスへの対応や経済安全保障推進法案等が議論となる。その一方で、筆者が特に関心を寄せるのは憲法改正を巡る議論である。これまで憲法改正に慎重な立場をとる立憲民主党は、先の総選挙まで憲法審査会を開くことにすら消極的であったが、「可能な限り定例日に開催 」するとの姿勢に転じた。また、日本維新の会に加え、同様に政権党でない国民民主党と総選挙後に新たに会派となった有志の会が、衆議院憲法審査会において与党側(与党及び協力会派懇談会)という立場をとることとなった。これらは昨年の総選挙を経て生まれた新しい政治状況によるものである。本稿は各党の立ち位置を概括的に述べ、今後の展望と課題について論じるものである。予めこの序論で申し上げるが、憲法改正には引き続き時間と各党・各会派による多大なる尽力と忍耐、そして国民の理解を要する。

Author: 瀧口 直輝

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2022年(令和4年)の通常国会が召集され、引き続き新型コロナウイルスへの対応や経済安全保障推進法案等が議論となる。その一方で、筆者が特に関心を寄せるのは憲法改正を巡る議論である。これまで憲法改正に慎重な立場をとる立憲民主党は、先の総選挙まで憲法審査会を開くことにすら消極的であったが、「可能な限り定例日に開催 」するとの姿勢に転じた。また、日本維新の会に加え、同様に政権党でない国民民主党と総選挙後に新たに会派となった有志の会が、衆議院憲法審査会において与党側(与党及び協力会派懇談会)という立場をとることとなった。これらは昨年の総選挙を経て生まれた新しい政治状況によるものである。本稿は各党の立ち位置を概括的に述べ、今後の展望と課題について論じるものである。予めこの序論で申し上げるが、憲法改正には引き続き時間と各党・各会派による多大なる尽力と忍耐、そして国民の理解を要する。