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中曽根平和研究所との経済安全保障セミナー

2月20日、コンラート・アデナウアー財団(シュティフトゥング)(KAS)日本事務所は、中曽根平和研究所(NPIとの共同プロジェクトとして「経済安全保障―ドイツの視点」をテーマとしたセミナーを開催し、国会議員や政府・省庁関係者の参加を得た。本セミナーは、昨年12月にNPIとKASの間で締結された経済安全保障分野における協力関係を強化するための覚書(MoU)に基づいて開催されたものであり、その概要は以下のとおり。

 冒頭、ラベア・ブラウアーKAS日本事務所代表が開会の挨拶を述べたのち、麻生太郎NPI会長による基調講演が行われた。麻生会長は、日独両国は、大国としての責任として世界全体の安定と繁栄を図るための連携を進めなければならず、自由経済一辺倒では進んでいけないという国際政治経済の現実に直面している今、経済安全保障の面で両国がどのように連携していくかは、国際社会全体にとっての重大事だと述べた。その上で「デリスキング」という基本的な立場に触れ、今後同盟国・同志国間における調整が必要になった場合には、価値観を共有する日独の連携・協力が重要になるとの認識を示した。

 続いて、クレーメンス・フォン=ゲッツェ駐日ドイツ大使が「経済安全保障―ドイツの視点」と題し、ドイツにおける経済安全保障の重点分野について講演を行った。フォン=ゲッツェ大使は、日独はその経済構造や課題において多くの類似点を共有しているため、技術革新、サプライチェーンの強靭性、エネルギー転換、サイバーセキュリティ、貿易などの分野での協力に適していると指摘した。そのために、定期的な政府間協議などのプラットフォームを通じ、両国の経済的安全保障を向上させるだけでなく、持続可能な成長を促進し、グローバルな課題に取り組むことができると述べた。

 質疑応答では、白石重明NPI経済安全保障研究センター長がモデレーターを務め、フォン=ゲッツェ大使との対談形式で、ドイツにおけるデリスキングに向けた政策の達成状況、大使から見た日本における対中国政策の状況、経済安全保障に関する各EU加盟国の認識の違い、今般EUが策定した反威圧手段規則についてのドイツの立場などについて議論が行われた。

 本セミナーは、中曽根弘文NPI理事長の閉会挨拶により締め括られた。

独連邦議会 キリスト教民主/社会同盟 議員団による訪日

2月7日から9日にかけて、ヨハン・ヴァーデフール キリスト教民主/社会同盟(CDU/CSU)会派院内副総務を団長とする同会派独連邦議会議員団が来日し、日本の国会議員や有識者との意見交換を行った。

議員団は、7日に衆議院第二議員会館にて行われた日独友好議員連盟総会に出席し、遠藤利明 会長をはじめとする与野党の国会議員と議論を交わした。総会では50名を超える日本の国会議員からの参加が得られ、日独の外交安全保障・防衛政策や対中政策のみならず、人権デューデリジェンスや対アフリカ政策など、多岐にわたるテーマについて活発な意見交換が行われた。

また、議員団の来日中には上川陽子外務大臣および木原稔防衛大臣との会談が持たれ、インド太平洋地域における貢献や日独物品役務相互提供協定(ACSA)に言及しつつ、国際情勢が不安定化するなかで外交・防衛面における日独連携を強化する重要性が確認された。伊藤信太郎 環境大臣との意見交換では、環境・気候問題に対する先進国としての日独の国際的なアプローチがテーマとなった。

さらに、辻清人 外務副大臣森山裕 自民民主党総務会長泉健太 立憲民主党代表および藤田文武 維新の会幹事長とも意見交換が行われ、日独の政治状況や主に外交・安全保障分野における日独協力のあり方等について議論がなされた。

中曽根平和研究との覚書署名式

12月6日、コンラート・アデナウアー財団(シュティフトゥング)(KAS)日本事務所は、中曽根平和研究所(NPI)との間で、経済安全保障分野での協力関係を確認する覚書(MoU: Memorandum of Understanding)を締結した。

中曽根弘文NPI理事長およびラベア・ブラウアーKAS日本事務所代表による署名式は、クレーメンス・フォン=ゲッツェ駐日ドイツ連邦共和国大使の参加を得て執り行われ、KASベルリン本部からはペーター・フィッシャー=ボリーン分析・コンサルティング局長が同席した。

署名式において、NPIおよびKASは、昨今の国際政治状況における経済安全保障分野の重要性を認識し、今後同分野において様々な連携および協力を行っていくことを確認した。

リンネマン キリスト教民主同盟幹事長による来日

10月30日から11月1日にかけてカーステン・リンネマン キリスト教民主同盟(CDU)幹事長およびフィリップ・ビルケンマイヤー CDU連邦副事務局長/CDU政治・綱領担当部長が来日し、政党関係者や政府機関との意見交換を行った。

来日中、森山裕 自民民主党総務会長との会談が持たれ、昨今の国際情勢における政党のあり方や日独協力について議論された。また、社会保障や人口動態、年金制度に関するブリーフィングを受けて、社会政策についても幅広いテーマに関する意見交換がなされた。

さらに、リンネマン幹事長は、遠藤利明 日独友好議員連盟会長、西村康稔 経済産業大臣、伊藤信太郎 環境大臣、辻清人 外務副大臣および泉健太 立憲民主党代表との会談において、日独関係を強化する必要性について確認した。

日欧先端研究ネットワーク(EJARN)とのジョイント・フォーラム

10月24日および25日、コンラート・アデナウアー財団(シュティフトゥング)(KAS)日本事務所は、日欧先端研究ネットワーク(EJARN)との共同プロジェクトとして「安全保障および開発における日・EU連携」をテーマとしたジョイント・フォーラムを開催し、日本および欧州で活躍する有識者や政府・省庁関係者の参加を得ました。

対中経済安全保障に関するブリーフィング

6月5日、コンラート・アデナウアー財団(シュティフトゥング)(シュティフトゥング) (KAS)日本事務所は、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州ヘンドリック・ヴュスト首相の来日に際し、対中経済安全保障に関するブリーフィングを開催しました。

キリスト教民主/社会同盟と自由民主党による議員・政党間対話

11月16日、コンラート・アデナウアー財団(シュティフトゥング)(KAS)日本事務所は、自由民主党城内実衆議院議員の協力を得て国会内において、キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)と自由民主党による政党間対話を開催しました。

日独1.5トラック安全保障対話

11月14日、コンラート・アデナウアー財団シュティフトゥング(KAS)日本事務所、ベルリン日独センター、国際問題研究所、および日独外務省は、ロシアによるウクライナ侵攻とその影響を主なテーマとした日独1.5トラック安全保障対話を共催した。本イベントは新型コロナウイルスの世界的流行後、対面形式で3年ぶりに東京で開催された。

公開イベントでは、クラウディア・マヨール研究部長 (ドイツ国際安全保障研究所(SWP)) 、アレクサンドラ・サカキ研究副部長 (SWP) 、中村仁威大使 (外務省) 、鶴岡路人准教授 (慶應義塾大学) らが四谷の主婦会館において日独協力に関するパネル・ディスカッションを行った。遠藤乾教授 (東京大学) がモデレーターを務めた。

安全保障における日独協力の強化が議論の中心となり、現下の状況への危機感が共有された。また、健全な民主主義の強化についても議論が行われた。

本公開イベントに先立ち、日本国際問題研究所 (JIIA) にて、非公開ワークショップ がが同日開催された。ロシアによるウクライナ侵攻と欧州の安全保障環境への影響に関する第1セッションでは、KAS日本事務所のラベア・ブラウアー駐日代表がモデレーターを務めた。


また、経済安全保障に係る日独協力を巡る第3セッションでは、KASの招待により、ドイツ産業連盟(BDI)のパウル・メーザー産業経済政策研究シニア・マネージャーが参加した。

本対話は日本およびドイツで毎年交互に開催されている。

ウクライナ戦争:欧州の対応とインド太平洋へのインプリケーション

10月26日、コンラート・アデナウアー財団(KAS)日本事務所は、「ウクライナ戦争:欧州の対応とインド太平洋へのインプリケーション」をめぐって専門家によるラウンド・テーブルを開催しました。 冒頭、モデレーターの慶應義塾大学 鶴岡路人准教授より本会の位置づけについて説明を行った上で、KAS日本事務所のラベア・ブラウアー代表よりブリュッセル・スクール・オブ・ガバナンスのCentre for Security, Diplomacy and Strategy (CSDS)及び日本の専門家各位による参加を歓迎、謝辞を述べました。

CSDSのスピーカーが言及したポイントは以下通り。

• 欧州・大西洋(EU-Altantic)、インド太平洋(Indo-Pacific)それぞれの地域から見たロシアによるウクライナ侵攻の影響 • 米国の軍事的プレゼンスを通じた両地域の間接的なつながり

• 価値感を共にする日本及び台湾の欧州による再評価

• 東欧諸国の中国へのポジショニング変化

• EUの戦略的自律性における防衛協力の更なる緊密化と強化

• 防衛分野におけるEUとNATOのより良い連携・協力への発展

その後、新領域(ニュー・ドメイン)における日・NATO協力、台湾有事、志を共にする国々の連帯、兵器システム等について議論が行われた。

日本の女性:ドイツに学ぶ女性活躍推進

KAS日本事務所では7月13日にシリーズ第3回目となるWomen in Japan: Breakthroughs in Female Business Leadership (日本の女性:ドイツに学ぶ女性活躍推進)をオンライン・セミナーとして開催しました。 第1回で扱った政治・ビジネス・社会の3分野のうち、近年関心を得ているビジネス分野を取り上げ、性別役割分業への意識が日本と近いドイツがどのように状況の改善に取り組んで成果を上げているかを学び、日本の現状と比較することで日本にとって現実的な「次の一歩」への視座を提供しました。

今回のウェビナーは、諸外国がどのように女性をビジネス分野のリーダーとして登用しているのかを理解することを目的としました。歴史的に日本と性別役割分担の考え方が似ており、日本よりもジェンダー状況が進んでいるドイツに今回は焦点を当てました。

本ウェビナーの動画は下記からご覧いただけます。