例えば、女性が管理職やリーダー的役割に就くには、従来の社会構造ではハードルが高く、既存の政治制度の改革が求められます。また、アジアへの依存度が高まるなか、世界経済はナショナリスト勢力の台頭によって自由貿易体制の危機に直面しています。
そして、自動化やイノベーションは働き方を大きく変えようとしています。テクノロジー主導の世界において各国は急速な人口動態の変化の最中にあり、新しい技術にすばやく適応できる人と遅れをとる人との間に大きな隔たりが生じています。
これらの問題に対してアジアはどのように対応すべきなのでしょうか。また、これらの課題に対処するためにどのような政策を実施すべきでしょうか。世界の相互依存が深まる一方で分断も深刻さを増している状況で、各国はどのように自国を位置付け、国民の成功と繁栄のために舵取りをするべきでしょうか。
コンラート・アデナウアー・シュティフトゥング(KAS)のアジア経済政策プログラム(SOPAS)は、アジアにおける経済・ガバナンスモデルに関する議論と改革に寄与することを目的とした地域フォーラムです。
SOPASは、アジア各地の政策立案者、エコノミスト、政治アナリスト、オピニオン・リーダー等のネットワークを結集して議論を重ね、政策提言を行うと共にベストプラクティスの共有を目的とした専門家による会議やセミナー、ワークショップなどの場を提供しています。
また、出版物も定期的に刊行し、各国・地域の政策立案者に対して知見の提供と提言を行っています。
シニアプログラムマネージャー、アジア経済政策プログラム (SOPAS)
国家間の貿易関係がますます複雑化する中、この危機による打撃から着実かつ包括的な回復を遂げるためには、我々の中に共通基盤を見出すことが不可欠である。本論文が提供する視点が、こうした取り組みに貢献できることを期待している。
日本が抱える世界的に見ても低い女性管理職率などのジェンダーに関する問題の根幹には、 日本独自の雇用慣行が大きく関わっている。本稿では、日本型雇用慣行の概要を論じるとと もに日本型雇用慣行のジェンダー状況への影響について示し、今後政府がとるべき政策を提 案する。